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第2章 違和感
「痛そうだな。その顔」
「ちょっとな」
「どうしたんだよ。美咲ちゃんとなんでけんかしたんだよ」
「あー、実はさ」
あれから美咲と高橋の事を見ても、あまり気にならなくなった俺だったが、どうやらそれがいけなかったようだ。
美咲から「幸ちゃんは、私が他の男の子と仲良くしてても気にならないの?」と泣きながら訴えられてしまった。
どうにか弁解しようとしたが、上手くいかず、美咲が持っていた調理実習の時に作ったというクッキーを投げられ、運良く俺の顔に当たってしまい、友人に心配されるという今に至る。
「お前の彼女は可愛いな」
「まぁな」
美咲の話を聞くと、どうやら高橋と仲良くしてたのは、俺に嫉妬させるためだったらしい。
そんな事しなくても俺は美咲の事大切に思ってたのに、美咲にはそれが伝わっていなかったようだ。
「恋って大変なんだな」
「お前の口からそんな言葉が聞ける日が来るとは思ってもなかったわ」
「俺自身驚いてる」
「なんかサプライズプレゼントでもして謝ってこいって」
「だよなぁ。何プレゼントすればいかな?」
「俺たちに聞くなよ。そこら辺の女子にでも聞いてこいよ」
「んー、だなー...」
とりあえず、咲にでも聞いてみるか。
そんな事を思いながら、美咲から貰った(投げつけられた)クッキーの袋を眺めていた。
あ、調理実習って二組合同だったな。咲って美咲の隣のクラスじゃん。咲のクッキー最近食ってねぇなぁ...。
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