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第1章 変わる
「咲ー、今日の昼飯なに?」
「今日はメロンパン」
私の名前は河野咲(かわの さく)。公立高校に通っている。
今は昼休み。いつも通り2人の友達と昼ご飯をたべようとしていると、夏希(なつき)がそう声をかけてきた。
「咲はほんとパンが好きだな。あ、そういえば咲、この頃あの馬鹿と一緒に登校してないな」
「うん」
夏希のいう馬鹿とは、私の幼馴染の幸(こう)の事。
なぜ夏希がそんなことを言ってくるかというと、私は少し前まで毎日幸と一緒に登校していたからだ。
「なんで?けんかでもした?」
「ううん」
「あれ、なっちゃんしらないん?幸くん彼女できたんよ」
この訛りの強い話方の子は水樹(みずき)。水樹も私の友達。綺麗で優しい水樹はとてもモテる。
「え、まじか。あの馬鹿にも恋愛って文字があったのか」
「そりゃ年頃やけんね」
「って、噂をすれば、ほら。馬鹿が咲に向ってめっちゃ手振ってるよ」
「咲ちゃん行ってき」
「うん」
二人の目線を追うと、確かに教室のドアに幸がいた。私はパンを机の上に置くと、幸の元へと向かった。
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