第2章 違和感

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「よ!」 「...ん」 と、思っていたけどいつの間にか咲の家に来てしまった。 「忙しいんじゃないの?」 「ああ、皆高橋いるから皆気合入って大変なんだよなぁ」 「で、なに?」 「こないだ借りた本、返そうと思ってさ」 「ん」 「あ、そう言えば咲のとこのクラスは抹茶喫茶やるんだって?」 「うん」 「いいね。あ、確か浴衣着るんだろ?咲の浴衣姿なんて小さい頃に見たきりだから写真撮りに行ってやっても」 「着ないから」 「...え?」 「私厨房担当だから。それじゃ」 「え、ちょ、待っ!」 いつものように咲の家に来て、いつものように話していたつもりだったのに、咲は突然そういうと家の扉を閉めてしまった。せっかく久しぶりに咲に会えて、話もできたのに...。咲は何が気に食わなかったんだろう。自分が言った事を思い出してみたが分からなかった。遅い時間にきたから、やっぱり迷惑だったのかな? 俺はそう思いながら、大人しく家に帰った。 家に帰って、咲に「遅くに家に行って悪かった。おやすみ」とラインを送って寝た。 次の日起きると、咲から「大丈夫。文化祭頑張ろう」とラインが返ってきていた。 そのラインを読む俺の顔は、自然と緩んでいた。 「よし、頑張るか」 少し伸びをしてから、俺は学校へいく準備を始めた。
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