第2章 違和感

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準備も順調に進み、文化祭当日。 「はい、幸君。準備終わったよ」 「お、さんきゅ」 「すごく似合ってる!幸君ってこんなかっこよかったんだね」 「え、まじ?ありがとう」 女子に髪と衣装を整えてもらった俺はクラスへ戻る。これから文化祭が始まる。 「え、幸君?」 「おいおい、どうしたんだよ幸」 「え、なに?やっぱ変だよなー」 クラスに入ると、急に皆の視線が俺に集まってきた。 「ううん、めっちゃカッコいい!」 「俺、お前は今まで俺達の仲間だと思ってたのに…」 「お前もともと整った顔してたもんなー。そういう格好似合うな」 「まじか」 自分だとあんまり普段との違いが分からないが、周りには意外と好評だった。 でもその後、衣装に着替えた高橋が戻って来ると、皆我に返り、俺の事など気にしなくなった。 文化祭が始まってからも、高橋目当てでうちのクラスにくる客はたえなかった。 だが高橋はどうしたって一人しかいないから、高橋を指名できなかった客達の中には、俺たちを指名する人も少なくなかった。 「幸さんって、いうんですか?部活とかやってるんですか?彼女とかいるんですか?」 「とってもかっこいいですね。なんだか照れちゃいます」 「あの、良かったら連絡先とか知りたいんですけど…」 とまあ、そんな感じで、俺も意外と評判が良かった。 というか、ディズニー喫茶のはずが、途中から皆そんな設定忘れてホストクラブみたいな感じになってた。 「はぁ、まじ疲れた」 「可愛い女の子とこんなに話せるなんてめったにねぇけど、流石に疲れたな」 「ばか、もっと疲れてるやついるから」 「...王子は慣れてんだろ女子に囲まれんのなんて」 「それも言えてんな」 褒められたりするのは嬉しかったけど、どちらかというと、男と絡む方が多い俺にとって、結構負担が大きかった。 合間を縫って、美咲と文化祭を回ったりもしたけど、ほんの20分くらい。そんなに文化祭を満喫できていなかった。 あー疲れた。話っぱなしで喉かわいたし。 ...あ、そう言えば咲のクラス喫茶店だったな。
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