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「きゃー!幸君なにその格好かっこいいじゃん!」
「ほんとだぁ!ちょっと見直しちゃった」
「ありがと!」
教室を出て人ごみをかけていく咲を追いかける俺。途中で俺に声をかけてくれる女子に適当に返事をしながら、俺は咲を見失わないように追いかける。
「咲!」
たまにそう声をかけるが、咲は止まらない。
しかし、変な格好をしたままだったから、色んな人に声をかけられ、なかなか咲との距離は縮まらず、とうとう咲を見失ってしまった。
「はぁ、くそ」
人ごみから離れ、走ったせいで出てきた汗を引くために木陰に座る。
なんで逃げんだよ咲。
てか俺もなんでこんな必死に咲の事追いかけてんだよ。
そんな事を考えながら、先ほどの咲を思い出す。
久しぶりに見た浴衣姿の咲。普段は制服と部屋着姿しか見ないから新鮮で……。
「可愛かった」
俺は無意識に、少し赤らんでいるだろう顔を手で隠しながら、そう声を零していた。
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