第2章 違和感

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「きゃー!幸君なにその格好かっこいいじゃん!」 「ほんとだぁ!ちょっと見直しちゃった」 「ありがと!」 教室を出て人ごみをかけていく咲を追いかける俺。途中で俺に声をかけてくれる女子に適当に返事をしながら、俺は咲を見失わないように追いかける。 「咲!」 たまにそう声をかけるが、咲は止まらない。 しかし、変な格好をしたままだったから、色んな人に声をかけられ、なかなか咲との距離は縮まらず、とうとう咲を見失ってしまった。 「はぁ、くそ」 人ごみから離れ、走ったせいで出てきた汗を引くために木陰に座る。 なんで逃げんだよ咲。 てか俺もなんでこんな必死に咲の事追いかけてんだよ。 そんな事を考えながら、先ほどの咲を思い出す。 久しぶりに見た浴衣姿の咲。普段は制服と部屋着姿しか見ないから新鮮で……。 「可愛かった」 俺は無意識に、少し赤らんでいるだろう顔を手で隠しながら、そう声を零していた。
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