第3章 気付く

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今は昼休み。今日は久しぶりに高橋と屋上で飯を食べていた。 咲と同じく、高橋とも幼稚園のころからの幼馴染だ。 「なぁ、幸は咲ちゃんの事好きなんだよな?」 「...なんだよ急に。まぁ、昔から一緒にいるからな」 「いやいや、友達としてじゃなくて、恋愛としてだよ」 「...は?んな訳ねぇだろ。俺彼女いるし」 すると、高橋が突然そんなことを言ってきた。 「あ、そうなんだ。じゃあ、俺も咲ちゃんと普通に話してもいいんだな」 「なんだよ改まって。当たり前だろ。つか、なんで俺が咲の事、好きって事になったんだよ」 「え?ああ、だってお前、俺らが幼稚園児の頃から、俺が咲ちゃんと話そうとすると、すげぇ顔でこっち睨んでくんだもん。俺が咲ちゃんに触ろうもんなら、すかさず咲ちゃん引っ張ってどっか行こうとするしさ。だから俺、お前はその頃から咲ちゃん一筋だと思ってた」 「……いやいや、俺そんな事した事ねぇし」 「あーはいはい、そういう事にしといてやるよ。でも良かった。これで咲ちゃんと気兼ねなく一緒に合唱練習できるわ」 「……合唱練習?」 「ああ、毎年恒例の学年別合唱大会な。今年は、俺が指揮者で咲ちゃんが伴奏に決まったんだよ」 「へぇ」 「よし、幸に確認もとった事だし、早速今日から練習だ!咲ちゃん誘ってくるわ!」 「...あ、暇だし俺もいくわ!」 「おお、じゃあ行こうぜ」
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