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とんとん
無駄に緊張しながら、俺は咲の部屋をノックした。
「はーい」
すると、すぐ咲が出てきた。
「よ」
「幸。どうしたの?」
「いや、なんとなく暇だったから。入っていいか?」
「うん」
部屋に入ると、高橋がいて、クッキーを食べていた。
「ん? お、幸じゃん」
「よ。俺も邪魔していい?」
「ああ。丁度合唱大会の話し合いも終わった所だしいいぜ」
「合唱大会の話ししてたのか。大変だな」
「ああ、でも、やっと咲ちゃんと仲良くなれたし、俺はすげぇ楽しい」
高橋の発言に胸のざわつきは落ち着くどころか、さらに強まる。
「そうか」
「つか、咲ちゃん料理できんだね。クッキーすげぇ美味い」
「料理はあんまりしないけど、お菓子作るのは好きなんだ」
「へぇ。他に何作れるの?」
「他は、チーズケーキとか」
「あ、俺チーズケーキ好き。今度作ったら俺にも頂戴」
「ん、分かった」
咲がお菓子作り好きなのは、小学生の頃からで、バレンタインには、毎年俺にお菓子を作ってくれる。まぁ、俺が催促してるからだけど。
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