第3章 気付く

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とんとん 無駄に緊張しながら、俺は咲の部屋をノックした。 「はーい」 すると、すぐ咲が出てきた。 「よ」 「幸。どうしたの?」 「いや、なんとなく暇だったから。入っていいか?」 「うん」 部屋に入ると、高橋がいて、クッキーを食べていた。 「ん? お、幸じゃん」 「よ。俺も邪魔していい?」 「ああ。丁度合唱大会の話し合いも終わった所だしいいぜ」 「合唱大会の話ししてたのか。大変だな」 「ああ、でも、やっと咲ちゃんと仲良くなれたし、俺はすげぇ楽しい」 高橋の発言に胸のざわつきは落ち着くどころか、さらに強まる。 「そうか」 「つか、咲ちゃん料理できんだね。クッキーすげぇ美味い」 「料理はあんまりしないけど、お菓子作るのは好きなんだ」 「へぇ。他に何作れるの?」 「他は、チーズケーキとか」 「あ、俺チーズケーキ好き。今度作ったら俺にも頂戴」 「ん、分かった」 咲がお菓子作り好きなのは、小学生の頃からで、バレンタインには、毎年俺にお菓子を作ってくれる。まぁ、俺が催促してるからだけど。
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