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「というか咲ちゃん、意外と手小さいよね。ピアノ弾くとき大変じゃない?」
「うん、指届かない所とかは、ちょっと楽譜変えてる」
「そうなんだ。ちょっと手出して」
高橋がそういうと、咲は素直に手をだした。高橋はその手に自分の手を重ねる。
どくん
心臓から嫌な音がした。
「ほら、俺よりこんなに小さい」
「ほんとだ」
「というか咲ちゃん身長も小さいし俺より小さいのは当たり前か。ほら、耳とかも」
高橋はそう言いながら、咲の顔へと手を伸ばした。
高橋と咲の距離が近づく。
どくん どくん
俺はとっさに咲の手をひいた。
「わっ」
咲は俺の方へ倒れこみ、俺は咲を抱きしめる形になった。
高橋も咲もきっと驚いているだろう。俺も驚いてる。けど、咲を離したくなくて、高橋に渡したくなくて、俺は咲を抱きしめる力を強める。
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