第3章 気付く

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高橋と一緒に屋上へ移動する。 今の俺にとって、外の冷たい風は心地よかった。 「昨日は変なところみせて悪かったな」 「ん?ああ、いや俺の方こそ。お前が咲ちゃんの事大事に思ってるのは知ってたのに、気安く触ろうとした俺が悪いよ」 「いや、お前が謝る必要は...」 「別に気にすんなよ」 そう言いながら俺に笑いかけてくれる高橋。高橋は顔も良いけど、やっぱりめちゃくちゃ良いやつで、だから皆に好かれるんだろう。俺も高橋みたいに余裕があれば、昨日みたいな事をしなかったんだろうか。そして、咲を傷つけなくてもよかったんだろうか。 ふと、昨日のおびえた咲の声と顔が目に浮かび、俺は高橋に笑い返してやる事が出来ず顔を下へ向けた。 そんな俺に高橋は言葉を繋げる。 「安心しろ、咲ちゃんはお前の大切な幼馴染みだって事は皆知ってるよ。だから、俺もお前が嫌なら、もう咲ちゃんと必要以上に仲良くしたりしねえよ」 「……ああ」 別に咲は高橋と同じただの幼馴染。だから、咲が誰と仲良くしようが、俺が口出しできる立場ではない。けど、高橋がそう言ってくれた事に安心している自分がいる。 「けどあれだな。今回は俺だからよかったけど、咲ちゃんに彼氏出来たら、お前咲ちゃん離れできんのかね」 「……は?咲に彼氏?」 「そうだよ。咲ちゃんだって年頃なんだし、できるだろ彼氏ぐらい。って、ほら、怖い顔すんなって幸」 「いてっ」 そういう高橋に、頭を軽くつつかれた。てか、俺今怖い顔してた?
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