47人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
俺の後ろを歩く幸兄は、なんだか緊張している様子だった。
「幸兄、うち来たの一か月ぶり?」
「おう」
「あれからねーちゃんと話した?」
「いや。けじめつけるまではって思って」
この間あんな事があったが、昔から幸兄は真面目でいい奴で、俺は密かに尊敬している。だから、もうあんな事はしないだろう……。
「……あのさたける」
「ん?なに」
「……俺、ずっとすげえ咲に会いたくてさ。一か月も咲と話さなかった事なんて生まれてからなかったから。もうあんな事絶対しないけど、けど、もし俺が暴走したら、その時は俺の事殴ってでも止めてくれ」
「……おう。手加減しねぇよ」
「助かる」
と思ってたけど、想像以上にこいつにとってねーちゃんは特別のようだ。
最初のコメントを投稿しよう!