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幾千にも輝く夜空。
そんな夢を描いて見上げても、あるのはまばらに小さく輝く星と今にも消えて無くなりそうな白い月。
溢れ落ちそうで、儚くて、寂しくて、消えそうで、ちっぽけなヒカリなのに、どうしてこんなにも愛おしいんだろう。
見つめてるとね、涙が溢れでてくるの。
貴方も泣きたいの…?
周りにはいっぱいあなたの代わりになるようなヒカリがあるのに、貴方はたった独りで消えていこうとする。
そっか。だから愛おしいんだね。
今までの私と同じだったんだね。
『 …見上げてる姿、絵になるね。 』
ふいに聞こえた音。振り返れば貴方がいる。
柔らかい笑顔で、私を見ていてくれる。
決して周りにいっぱいある小さなヒカリでもなく、
今にも消えてしまいそうなヒカリでもない。
幾千にも負けないー…、ちゃんとそこに存在してる小さな小さなヒカリ。
頬を伝うのは嬉しさからかな…?
また夜空を見上げよう。
きっと、もう泣いてないよね…?
ふいに笑った気がした。
【完】
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