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むしゃくしゃする気持ちと高ぶる感情が抑えられない。 結が悪い。 全部俺の神経を逆撫でする。 この苛立ちも、お前に抑えられない。 「帰れよ」 言いはなった言葉に結は首を横に振る。 あぁ、そうか… こいつは何でもしてくれるのか? 俺は結の左腕を掴み、ベットに押し倒した。 ちょうどそんな気分でもあったし、ちょうどいい。 結が悪いんだから責任を取ればいい。 「じゃぁ、慰めろよ」 結に馬乗りになり、俺は結にそう言い放つ。 すました顔をして、俺を見下してる。 失敗した俺を責めていないと言いながら、お前が俺を追い込む。 人間いつ転落するかなんてわからない。 結、お前だってそうだ。 こんなことされても、俺を愛せるか? 「慰めに来たんだろ?ほら!何してくれんだよ!」 こんな屈辱を受けても、俺の側に居れるか? 彼女は目に涙をためながら、俺を真っ直ぐ見ていた。 あまりにも強くて、眩しすぎる。 「逃げろよ!」 思わず叫んでしまう。 それでも結は首を横に振る。 「一輝…」 涙を流して、彼女は俺に手を伸ばした。 赤い血が、その手から流れている。 それでも、結は俺しか見ないでいる。 結の瞳にうつる俺。 「無茶苦茶にするぞ!」 見ていられなくて、そう叫び、彼女の服を乱暴に剥いだ。 目を開けないでくれ。 真っ直ぐな目で俺を見ないでくれ。 結を乱暴に抱いた。 そんな真っ直ぐさは捨てて、俺と堕ちてくれ。 俺みたいに… 結も一緒に堕ちてくれ。
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