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暫く探しても見つけることは出来ず、俺は一度自宅に戻った。 何度かけても結は電話に出ない。 鞄や靴を取りに帰ってきてるかもと思ったが、結の姿はなかった。 もしかしたら、友達の家か? 地元が一緒の内野舞が、確かこっちで旦那と暮らしてるはずだ。 スマホからアドレスを探す。 だけど、登録はなかった。 会社の同僚や先輩も知らない。 そう言えば、最近アイツの話を聞いたりしてやってなかった。 流石に濡れたままでは身体が冷えてきて震える。 とりあえず風呂に入って、着替えて、結のマンションに向かうことにした。 少し間をおいては、電話をしたけれどコールばかりで出る様子はない。 結のマンションに到着しても、帰ってきてる様子はなかった。 カギは持ってるものの、この状況で部屋に入って待つわけにもいかず、俺は結の部屋の扉の前で彼女を待つことにした。 隣近所の人が出入りして、俺を怪しむ目で見る。 だけど、帰るわけにはいかなかった。 このまま結を失うわけにはいかない。 謝ったら結なら許してくれるはずだ。 きっと、びしょ濡れになって帰ってくる。 そう思って待ち続けても結は帰って来ない。 どこに居るのだろうか… どこに? ふと、前に結が話していたことを思い出す。 "今年38歳で20歳のお子さんが居てるの。でも結婚したのは23歳の時なの。これどうゆうことだと思う?" 結が会社の男の話なんてするのは珍しかった。 まさか? いや、相手は既婚者だ。 結の性格上、不倫なんてするはずない。 そう思い直す。 一人で待っていると色々考えてしまう。 いつの間にか雨は止み。 いつの間にか朝を迎えていた。 結は帰って来なかった―。
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