晴れ

3/14

2949人が本棚に入れています
本棚に追加
/75ページ
「実家に帰って、話してきた」 俺がそう話し出すと、結は驚いた表情をした。 「何を?」 そう聞かれた。 「大損したこと、結に400万借りたこと、無職になったこと…」 「そう…。なんで?」 「えっ?なんでって」 あまりにもキョトンとする結の表情に、拍子抜けする。 なんでって… ここ最近色々あって… 「あのおっさんに蹴られて、めちゃくちゃ言われて目が覚めたと言うか…」 色々考えるところがあった。 とにかく!! 「マジ反省した」 真っ直ぐ結を見ると、うっすら残る額の傷痕に目がいく。 俺の視線を感じてか、結はパッと右手で額を隠した。 「もう大丈夫だよ」 そう言って笑ってくれた。 どこまで優しいんだよ… 痛かったに決まってる。 「どうかしてた。本当にごめん」 謝って済む話じゃない… 俺は間違いなく、最低なことをした。 「ねぇ、一輝…」
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2949人が本棚に入れています
本棚に追加