2949人が本棚に入れています
本棚に追加
/75ページ
「実家に帰って、話してきた」
俺がそう話し出すと、結は驚いた表情をした。
「何を?」
そう聞かれた。
「大損したこと、結に400万借りたこと、無職になったこと…」
「そう…。なんで?」
「えっ?なんでって」
あまりにもキョトンとする結の表情に、拍子抜けする。
なんでって…
ここ最近色々あって…
「あのおっさんに蹴られて、めちゃくちゃ言われて目が覚めたと言うか…」
色々考えるところがあった。
とにかく!!
「マジ反省した」
真っ直ぐ結を見ると、うっすら残る額の傷痕に目がいく。
俺の視線を感じてか、結はパッと右手で額を隠した。
「もう大丈夫だよ」
そう言って笑ってくれた。
どこまで優しいんだよ…
痛かったに決まってる。
「どうかしてた。本当にごめん」
謝って済む話じゃない…
俺は間違いなく、最低なことをした。
「ねぇ、一輝…」
最初のコメントを投稿しよう!