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本屋に行って参考書や赤本を手にした。
駅前まで出て、大きな本屋に来た。
中学生のカップルが肩を寄せあって、雑誌を読んでいた。
それをぼんやり眺めながら、レジに並ぶ。
あの制服は、俺たちが卒業した中学の制服だ。
ふと、結を思い出した。
元気にしているだろうか…と思った。
あのおっさんと、上手くいってたりするんだろうかと想像した。
脳裏にあのおっさんの顔が浮かび、意味なく腹が立つ。
レジの順番が来て、考えるのをやめた。
レジを終えて外に出ると寒かった。
早く家に帰ろう。
そう思って歩き出し、暫くした時だった。
バス停に向かって歩いている時に、ふと目をやった階段から見たことある人間が降りてきていた。
足を止めて、よく見る。
不思議だ。
人は沢山居るし、彼女は東京のはずだし、こんな偶然あるのかと目を疑う。
でも、俺が結を見間違えるはずなんかなかった。
「結?」
彼女が階段を降りきる前に呼ぶと、彼女寒そうに身を縮めながら降りていた階段の途中で止まり辺りを見渡す。
そして間もなくして俺と目が合った。
結の目が驚いて見開く。
7ヶ月ぶりの再会だった。
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