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「はあはあはあ!くそっ、真梨子はどこに行ったんだ!?」
大学病院へ再院して次の日の夜。
白のブルゾンを着た三村は、右手に真梨子の置き手紙を握りしめ、真梨子の行方を追っていた。
『探さないでください。この一週間でまーくんがあたしのこと、嫌いなんだってわかった。だから、まーくんとバイバイしてお家に帰ります。さよなら、まーくん』
居間のテーブルにこの置き手紙が置かれていた。
そばには妻の携帯があった。
三村は葛藤する間もなく、家を飛び出した。こんな危機だからこそ彼には、わかった。
真梨子は自分にとって欠けるなんて考えられないくらい、当たり前で大切な存在だということに。
三村は奔走しつつ、彼女の実家へ連絡をかける。彼女の病気については、事前に話してあった。
しかし、当該人物は家に帰ってないとの事だった。
義両親は嘘をついてる様子でもなかったので、三村は真梨子がいそうな場所に片っ端からまわることにした。
だが、探し回っても一向に彼女の行方はつかめなかった。深夜帯になり、体力も落ちてきた頃、ふとけばけばしいディスカウントショップが三村の目にとまった。
トイレにでも入ろうか。
そして、ふと彼はある大切な事を思い出した。
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