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来院から一週間後。
医者からの病状悪化の診断に、三村は納得いかなかった。
「んー、悪化してるなー。このままだと、2年・3年……もしかしたら一生治らないかもしれません。旦那さん、奥さんに何か大きなストレスを与えてたりしますか?」
「そんなことありません。今だって、会社に無理言って早めに帰ったりしてるんですよ。それに、」
とかねてからの疑問を三村は医師に訴える。
「どうして、妻は……その子供みたいな、幼い振る舞いばかりするんですか?私もこの感染症の書籍等読みましたが、あんな症例書いてませんでした」
ふむふむと、医師はうなづく。なぜかにやりと笑みを浮かべる。
「三村さん、確か問診票に『甘えたことなどない妻の異様な行動』って書いてましたよね」
「ええ」
「なら、簡単ですよ。奥さんはあなたに甘えている、それだけですよ」
三村は当惑した。
「どういう事ですか?」
「わかりませんか……じゃあ、たとえば三村さんが今までやったことのないスポーツをやるとします。もし、三村さんがほとんど運動しない人だとしておきましょう」
「はあ」
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