雫二滴:お嬢様の事情

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「という訳で、今日は午後から授業休ませて下さい」 「そう。お食事会かぁ、お嬢様も大変なのね…。分かったわ」 一方の美雨は、職員室へ来ていた。担任の先生は、朗らかに答えて、椅子に座ったまま机に向き直した。 今日の午後からは家の都合で"会食"というものに出掛けねばならない。なので、午後から早退させてもらうべく、担任の先生に話に来ていた。 やむを得ない家庭の事情での欠席なら、出席扱いにしてもらえる。なので美雨は、ことある度にいつも話をしていた。 そしてお昼休みも近くなった頃、美雨はカバンを片手にし、自分の教室を出た。すると背後から誰かに肩を叩かれた。 「美雨っ。あれ?今日はもう帰っちゃうの?」
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