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「あら、梨花。そうなの、ちょっと用事があって」
「お嬢様も大変ねぇ」
「梨花ってば、先生と同じ事言ってるわよ」
梨花(りんか)と呼ばれるその女の子は手を振って、教室を後にする美雨を見送った。
「お土産買って来てねっ」
「おあいにくさま。今日は、そういうのじゃないわよ」
階段を降りて見えなくなったので、会話はそこで終わった。
星野 梨花(ほしの りんか)とは、高校に入学してから同じクラスになり、座席が近かったことから仲良しになった。
美雨がクラスの中で、リーダーグループ的な彼女達から『目を付けられ』、周りの女の子達からも敬遠されるようになっても、梨花だけはずっと一緒にいてくれたのだ。
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