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結局その後、美雨は強く「大丈夫だ」と言い張るので、二人はこれ以上問い詰めるのは美雨にもストレスになるだろうと考えて、何も聞かなかった。
美雨はソファーに座った。ふとある事を思い出した。
美雨は確実に一つずつ、状況を整理し出していた。
服が濡れていない。
確かにあの時、バケツで全身に水か何かを掛けられた様な、びしょ濡れになった様な感覚を覚えているのに。
はっきり目で見たとは言えないが、それでも着ている服は薄めの物だから、絶対に自分の感覚だけは間違っていない。
でも確かに今、全身が乾ききっている。
美雨は窓から、日が暮れて薄暗くなった窓の外を眺めた。
急に倒れるなんて、誰にでもよくある事よ。
そう自分に言い聞かせた。
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