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そして、紺ソックスを履き、黒いローファーを履いた美雨は、朝食を食べるために、一階へと続く螺旋(らせん)階段を降りた。
桐島邸は土足だ。
外国と同じように、玄関でも靴を脱がずにそのままなのだ。
緩やかなカーブになっている螺旋階段を降りると、杏子おばさんがやって来た。
「お嬢様!具合はどうですか?」
「大丈夫よ。あまり気にしないでちょうだい」
過保護されるのは疲れた。
と願っても無駄なのは、美雨は分かっていた。
「健康一番ですよ、お嬢様。将来 共にする旦那様のためにも、健康な赤ちゃんを産まなければなりませんからねぇ!」
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