雫七滴:炎神

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炎神。 その名のとうり、炎に使える神。 ここは、炎神界だ。 アスクと呼ばれるその男は、また酒を一口飲んだ。 「アイツらのせいで、俺様たちゃ惨めな思いをしてきた。 俺様たちゃいつだって人間のしもべだ。奴隷だ。それ所か好き放題使われてばっかりだ。挙げ句の果てにはヤツらに『消される』始末だ。 何て格好悪いんだ。俺様の何が悪い。 俺様たちゃを『呼び出した』のも人間だ、『使った』のも人間だ、『消す』のも人間だ。 いつだってヤツらのせいで俺様たちゃ『消される』。何て格好悪いんだ。 俺様たちゃ好き放題使われていつまでも言うこと聞いてるもんだと思うな。俺様はヤツらが憎い。ヤツらばかりがまるで正義のヒーロー扱いされるんだ。俺様たちゃの立場はなんなんだ? だから俺様たちゃヤツらが憎い。ヤツらがいなきゃ、俺様たちゃもっと強いんだ。だから見せしめてやるのだ。炎の力をな。 水には負けない。 良いか、世界はいつしか炎が支配するんだ。 必ずその日が来る。俺様たちゃの手でな」
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