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小一時間ほどで調べものは終えたが、彼女からはまったく連絡がない。
これ以上引き伸ばすこともないなと、僕は身支度を整えながらメールを打った。
“仕事は終わりましたか?”
まだ企画本部の部屋にいるのか、それとも既にトンズラしたか分からないが、いずれにしても悶々としているのは確実で、僕からのメールに飛び上がったことだろう。
返信は意外に早かった。
“終わりました”
たった一言。
だから余計に彼女の重いため息が聞こえてくるようで、僕のSっ気がムズムズし始める。
時間稼ぎを諦めたところを見ると、彼女は会社にまだ居たらしい。
そして仕事は終わってしまったらしい。
わざと返信はせず、通用口まで降りる。
我ながらこんな時にイジメなくてもよかろうにと思うものの、たとえ相手が僕であっても、一人で膝を抱えているよりは生産的に過ごせるはずだ。
あくまでも僕サイドの理屈だが。
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