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「すみませ……っ」
彼女の腕を掴み、身体をソファーの背もたれに押さえつけた。
彼女はコンプレックスのあまり、自分が女であることを軽く見ている。
だけど女の力では男に抗えない。
もてなかろうが干物だろうが、女であることに変わりはないと自覚すべきだ。
「もし僕が悪い男だったらどうするんですか?」
彼女は声も出せずに僕を見上げている。
目の奥に浮かぶのは恐怖のみ。
ほら、油断をすれば自分が望まない男の餌食になってしまう。
ゆっくり顔を近づけると、彼女の目は大きく見開かれた。
ほんの脅しのはずが、微妙に揺らぎ始める。
あのホテルの夜、裸で絡み合った際にキスは何度もしている。
愛撫の流れの中だから、回数にカウントできないぐらいの状態だった。
キス程度、回避してやらなくても、今さらじゃないか?
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