彼女の涙-2

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さらに近づくと、彼女がぎゅっと目を閉じた。 観念したのだろう。 僕を拒むその唇を開かせて、お仕置きしてやればいい──。 しかし、彼女の唇に触れる直前で僕の動きは止まった。 また彼女を泣かせることになる。 それでいいのか。 そして、この躊躇に相反する、征服欲の正体は? 頭の中に浮かんだのは、僕がもっとも軽んじてきた感情──今までの僕には制御可能な感情だった。
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