南風神社

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一日に数度しかまだ力が使えなかったが、コツを掴んできてからは、町から町に移って行くたびに旅衣装から着物に羽織、移動は牛車となりそれなりの生活が送れる地域に移り住んだ。 その後幾度か戦が起こり、その都度妖街へと戻ってはまた人の世界に行くことを繰り返している間に、影も付き力も増していた。 たまたま通りかかった社の雰囲気が気に入り、特に守りの狐もいないので、寝起きなどをする様になってすぐ、頭の中に声が響く。 あぁ……啓示が降りてしまった…… 官吏になろうと思っていたのに、社狐とはと最初は文句を言っていたが、社自体は大きく人からは何も無いように見せかけ、勝手に寝所や部屋を作りそこで自由気ままに過ごすことにした。もちろん世話は影にさせていたのでなんの苦労もない。
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