南風神社

6/8
前へ
/8ページ
次へ
そんな中、高級クラブで酒を飲んで帰宅する際、いい匂いがしたので路地を覗くと、赤い提灯におでんと書かれている、江戸の頃に見た屋台を見つけつい座ってしまう。 いい食事にいい女、有り余る金に不自由のない暮らし。それが身についていたが、その日の屋台のおでんは何故か特別に美味しく感じ、時折通うようになったが、高級スーツの人間がおでん屋で酒を飲んで飲み食いするのは考えられない行為だと人間社会の周りにも言われたが、出汁のきいた柔らかい大根に、しっかりとした食感のこんにゃく。玉子に牛すじも柔らかく、どのような食事よりも堪能出来るいい場所だと、通いつめるようになったが、四社の者にだけは知られ無いように気をつけていた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

219人が本棚に入れています
本棚に追加