南風神社

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「おい、何ぼーっとしてるんだよ?那智のおでん無くなるぞ?」と秋彪に言われ、昔のことを思い出していたのかと、酒を飲みながらつい頬が緩む。 あの親父のお陰だろうか、それからしばらくして人間を嫌にならなくなったのは…… あの時のおでんの味は今でも忘れることはなく、ひっそりと居なくなったおでん屋の老人を、赤い提灯が揺れるのを見る度に思い出しているのはまだみんなには内緒にしておこうと思う。 (終)
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