再開

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再開

ずっと社の中にいた。 時が移り変わるにつれて、森がだんだん無くなり、外の空気が濁ってきていたから。 米や魚は眷属に買いに行かせていたが、天気の良い日は森でキノコを採ったり、近くの川に行って仕掛け網にかかっている魚を持ち帰って干物にしたり。 のんびりとした生活を800年。 楽しみと言えば毎月来る老夫婦がお供えしてくれるいなり寿司。 勿論姿を出す訳にはいかず持って帰るのだが、ほのかに香るゴマの香りと甘いお揚げの香りがまた今月も元気を貰えたと感じる楽しみのひとときとなっていた。
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