0人が本棚に入れています
本棚に追加
俺達はたくさんの話をした。
何よりも俺の事を知っている親指だ。
今までの事、これからの事、泣ける話、笑
える話、本当に色々、話した。
「お父さんって、こんな感じかな。」
ふと出た言葉に自分で驚く。
「俺って、母子家庭だから…」
慌てて言うと
「そう思ってくれて…いい。」
目の下を赤らめて親指が言う。
もしかして、本当にお父さんが親指になっ
て来てくれたのかと、俺は身体の中がトロ
けるような感覚を味わい、最高に幸せを感
じた。
寝る前に、親指を何て呼んだらいいかと聞
いてみた。
好きに呼べと言うので
「ダミーは?
ダミ声だし。」
と聞くと
「鼻がねぇからダミ声なんだよ。」
と、2人で笑った。
「ダミーか。悪くねぇな。じゃあ、お前は
ジミーだ。」
「地味だからとか言わないでね。」
「その通りだ。」
もう一度、2人で笑った後、ダミーとジミー
悪くないね。と言う話でまとまった。
おやすみなさい。
ジミーが寝息を立てた頃、ダミーはため息
をつく。
ったく、単純で良かったぜ。
もっと俺を信じな。
信用しろ。
そうしたらドンドン感染していく。
最終的にダミーがジミーにジミーがダミー
になるんだよ。
そうなるのは、遠い未来じゃなさそうだ。
今は、そんな事も知らずに、ゆっくり
おやすみ…
ジミー
ジミー
親指ジミー
最初のコメントを投稿しよう!