自覚ー1

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当日、調停を前にした香子から至急の相談事を持ちかけられた。 マンションの権利の配分に関する協議が大詰めを迎えていたこともあり、フォローしてやらなければ彼女に不利益が生じかねないタイミングであったため、やむなく仕事と食事会の間に香子と会う予定を入れた。 ところが打ち合わせが遅延したため香子もずれ込み、食事会には遅れて参加することになった。 「悪いけどあまり時間が取れない」 香子と約束したレストランに滑り込みで到着すると、最初に僕は断った。 できるだけ手っ取り早く済ませたかった。
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