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「ええ、そうですよ。受付を通らず訪問しているのに、よく分かりましたね」
「やっぱりそうですよね!もしかして、ってずっと思ってたんです」
受付嬢の目に止まれば大抵の男は喜ぶ。
そんな表情で返すと、堀内嬢は得意満面に微笑んだ。
たくさんの男の中からあなたに注意を奪われたとさりげなく伝えるあたり、迷子には出来ない芸当だ。
この器用さがあれば迷子のコンプレックスは解決できるだろうが、でも僕は不器用な彼女にそのままでいて欲しいと願ってしまう。
「取引先の方なんですか。どうりで僕も見覚えがあったんですよ。うちの社のコンサルティングをされているんですか?」
ここで東条が会話に入ってきた。
僕たち二人の会話にしておくのは危険だと思ったのだろう。
それは迷子のためだろうか?
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