はしかのようなもの

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 新倉が好きだ、と友人に打ち明けられた時、最初に思ったのが「なんで?」だった。  友人は可愛いし、オシャレだし、頭もいいし、ランキングでいうと上にいる。そんな彼女が暗くて、無口で、教室でずっと本を読んでいるような最下層の新倉を好きになる意味がわからなかったのだ。  彼女なら、もっといい人がいるのに。 「それ、あんまり人に言わない方がいいよ」  彼女の地位が落ちることを心配してそう言うと、 「うん、親友だから特別だよ」  とチャーミングに笑う。  言いたいことが伝わっていない気がしたが、言わないならまあいいや。 「告白とかすんの?」  彼女に告られたらOKしない男子なんていないだろうけど。 「そんな! 恥ずかしくてできないよっ」  顔を真っ赤にして両手をぶんぶんと振る。 「そっかー。まぁ告白大変だもんね」  じゃあなんで私に言ったのよ。 「うん。だからね、協力して欲しくて」 「ん?」 「新倉くんとなるべく二人になれるようにしてくれないかなぁ? 私のいいところ、新倉くんにさり気なく伝えてくれないかなぁ? 新倉くんから告白してくるようにしたいの」  この可愛い友人は実に傲慢で不遜だ。  私が彼女の頼みを断るわけがないと思ってるし、自分には新倉に伝えるべき良いところがあると思ってるし、それさえやれば新倉の方から告白してくると信じている。  まぁ、私もその通りだと思うけど。 「そういうの苦手だけど……がんばるよ」  彼女のおかげで上位グループに入れているのは間違いない。その頼みを断るなんて出来ない。
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