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こうして出来る
白いノートの前に座って、何も書かれていないページをじっと見つめる。
何を思うまでもなく、その白いページをゆっくりと撫でてみた。
前のページに書き込まれた文字がボコボコとした形を私の指に教えてくれる。
どうやら、自分が思っているより筆圧が強いようだ。
そんな小さなどうでもいいような発見にクスリと笑ってしまう。
どうやったら、お話がかけますか?
どうやって書いてるの?
これは、私が小説や台本を書いていると公言するようになってからやたらと聞かれること。
何となく、それっぽくいつもは誤魔化しているがもう正直に言おう。
わからん。
「こういう作品作って」「こういう風にして」
という要望がない限り、私は何も考えていない。
とりあえず書いてみようかなーと筆を取りその時の思うままに筆を走らせている。
書いているうちに色んなものが膨れ上がり形になる。私が書いた作品は、私が書いた作品だけれど正直、「私がつくりあげたものです!」とは言い難い。
何故ならその作品達は、私も知らない間に出来上がっていることが多いからだ。
一体、どこからこの話が来ているのかと不思議に思うくらいだ。今だって特に何も決めずに1ページ以上ノートを埋めている。
何も決めずにただただ浮かんだ言葉を文字にしているから、この話が一体どこに向かっているのかとんと検討もつかない。そもそもこれが何であるのかも謎である。
小説ではないし、詩でもない。
でも、自然と何故か目が離せなくなるのだ。
これを見て、聞いているあなたもきっとそうなのだろう。
何も考えず、何をも決めずに書いているからこそ先が気になり目が離せなくなるのだ。
どうなるんだろう?どうするんだろう?と最後の結末を見届けたくなる。
だから私は声高らかにこう言おう。
オチは、無いよ!!!!
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