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傷恋
純粋なんて、笑ってしまう
一体何処にそんな要素が存在するというのか
私程に欲深いものなんてそう出会わないでしょうに
そう、わかっています
貴方は見ている、私の幻を
貴方は聴いている、私の上面を
私の一部分にしか目を当てず、私から目を逸らしている
見えないところを勝手に作りあげて幻想に埋もれているのでしょう?
何て勝手なことでしょう
それで私を語るなんて
何て腹立たしい事でしょう
それで私が好きだなんて
私は欲しい『全部』
その香りも、その旋律も、その視線も、その想いも、その身体も、その空気も、その命も
何もかも私にくれるなら私は喜んで貴方に飛びつくでしょう
ずーっとずーーーっとそれこそ気が遠くなるほど永遠に
私に捕らえられてくれるなら
私は貴方に私の全てを捧げるでしょう
何故なら私にそれらを与えてくれる人なんて何処にも居ないんですもの
みんなみんないつかは離れて行くのです
人は忘れる生き物だから
何もかも少しずつ少しずつ薄れていくのです
あぁ、見える、解る
貴方もきっと・・・・・
それならば、最初から求めなければ良い
最初から期待なんかしない
伸ばしたその手は絶対に届かないと知っているのに
それでも愚かに手を伸ばすなんてそんなことは出来るはずもない
そんな哀しみや苦しみに振り回されるなんてそんなこと
そう決めてそう誓って
貴方の手を払い除けたと言うのに
あぁ、なんで?
どうして私の胸は軋んでいるの?
この胸に溜まった何かを吐き出したい衝動はなんなの?
もう、取り戻すことは出来ないのに
もう、貴方はここに居ないのに
溢れだす雫は止まらない
優しく拭ってくれるあの手が今、愛し
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