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「……おなか、すいた」
読んでいた本をぱたんと閉じる。
すると、少し離れたところで本を読んでた彼が顔を上げた。
「ん?」
どうした?
とでもいうように、彼の首が少し傾く。
眼鏡の向こう、少し眩しそうに細められた目。
「コンビニでも行く?」
「……めんどう」
時計はすでに、夜の十一時を回ってる。
いまさら、外に出るのは面倒。
「んー」
「……おなか、すいた」
同じことを繰り返したら、はぁーっ、彼の口から大きなため息が落ちた。
「インスタントラーメンあったと思う。
それでいい?」
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