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「何をなさっているのですか、魔王ともあろう御方が。」
そう言って、何の迷いもなく近くのクローゼットを開ける。
するとそこには、大きな体を必死に縮めてクローゼットに収まっている魔王がいた。
「い、いきなり来るからおお驚いたじゃないか!!」
・・・・・・・・・・半泣きで。
「嘆かわしい。」
頭を抱え、彼は再度ため息をついた。
「何を恐る必要がありますか。あなたは魔王なのですよ?」
全く理解出来ないとでも言うように彼は眉をしかめる。
魔王はそれにふっと不敵な笑みを浮かべ
「わかってないな。お前は。魔王はな、、、、最終的には殺される運命なのだ。」
と、言った。
「・・・・・・・・・・は?」
「だからぁ!!」
全く理解していない彼に魔王はイラついた様子で後ろの棚から証拠のブツを取り出してみせる。
「これも、これもコレもこれも!!メッチャ強い魔王なのに、最終的にはみんな殺されているのだ!!」
ソレは所謂『マンガ』『ゲーム』と呼ばれるもので、人間たちの村を襲った時に家臣たちが村から持ってきたものだ。
「魔王様。それは弱い人間共のただの妄想の産物です。」
「知っている!よく見ろ!!」
反論した彼に、魔王が差し出したのは魔王を倒そうと集まった人間たちが魔王に各々の武器を向けている絵だ。
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