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(し、しまったぁぁぁ!!勢いで出てしまった!しかしこれ以上『れべる』を稼がれる訳には・・・・・ゆ、勇者が我を睨んでおる。殺られる。コレは我、殺られる!?)
魔王の心の中はご乱心だった。
「お前が魔王か。」
突然現れた、魔王に圧倒されながらも勇者は自らを奮い立たせ声を出す。
何も答えず、静かにコチラを見下ろす瞳は恐ろしく冷たい。
「はっ!人間なんかとは口を聞かないってか?」
「・・・・・。」
挑発しようが、睨みつけようが、大した事は無いと余裕そうな魔王に勇者はフツフツと怒りを募らせる。
村に伝わる大切な剣を握りしめ、目の前の敵を見据え、
「・・・・・いくぜ!!!」
気合の入った掛け声と共に勇者は駆け出した。
ここまで見てきたものなら解るだろう。
このシーン。魔王視点だとこうなる。
「お前が魔王か。」
静かに、しかし明確な敵意を持って発せられた言葉に魔王はハッとする。
(コレ、このまま名乗らなければ殺られないのでは?)
しかし、そんな魔王とは裏腹に勇者は更に視線を強くした。
「はっ!人間なんかとは口は聞かないってか?」
(しまった!失敗だ!怒っている。そんなに睨んだら怖いじゃないか。頼むから、帰ってください。お願いします。)
睨みつけられるその瞳にビ完全にビビって固まってしまう魔王。
その様子を見た勇者は更に闘志を燃やし
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