ゆうちゃんのたからもの

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けれどそこには誰もいません 木の上で「ピチチッ」とないている小鳥たちを見上げて ゆうちゃんは おそるおそる 話しかけます 「いまの あなたたち?」 「ピチッわたしたち? わたしたちだって?」 「キュルキュル おもしろい子ね 私たちいがいに誰がいるの?」 「ピチチッ なかまにいれてと あなたがそう言ったんじゃない キュルキュルキュル」 小鳥たちがおかしくてたまらないと言うように 羽をバサバサさせて笑います 「いった!いったわ!わたしも なかまにはいっていいの?」 もし なかまにいれてくれるなら それはとても素敵なことだと ゆうちゃんは嬉しくて おおきなこえでたずねます 「ピチチッあたりまえだわ。 すてきな声のお嬢さん 歌はみんなで歌うものよ」 「ピチッそれに 大きな声で ごうかくだもの 」 「キュルキュルッたのしくなるわね すてきだわ」 「でも わたし あまり歌は上手じゃないの 」 ひまわり組のみんなで歌うとき ゆうちゃんはいつもうまく歌えません 自分だけなんだか違う歌を歌っているみたいでうまく歌えない時のことを思い出しました 「ピチチッ あら 平気よわたしたちにまかせて」     
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