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「成り上がりの下らないやっかみのせいで死んだんだ。
とんだ不名誉を負わされて。お袋はそれに耐えきれず病に倒れた。」
話してる間にも攻防は続く。
弾いて離れて斬りかかりいなされる。
僕と隆吉の実力はほぼ互角。
いや、僕の稽古不足分僕の方が弱い。
「天涯孤独になった俺を引き取った道場でも、それは変わらない。
実力なんか無えくせに、ギャーギャー騒いで家柄がどうだこうだと!
胸くそ悪ぃ!!!」
大きく弾かれ押され、あまりの力にそのまま倒れる。
刀が目前に迫りつつあるのを慌てて腕を上げて剣筋を反らす。
顔のすぐ横に刀が刺ささった。
「・・・が、お前は違う。お前は確かに実力をはなにかけた嫌なやつだったが、家柄なんかで俺を判断したりしなかった。
お前は実力主義で俺の力を認めた。
覚えてるか?
決闘で負けた成り上がりが、勝った俺に真剣で斬りかかってきたとき。」
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