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あの後、僕は診療所へ行き隆吉の事を医者に告げて兄さんに看板を取り戻したことを報告した。 家に帰ると明希が飛んできた。 心配したのだと泣いて、置いていったことがムカつくと叩かれた。 いつもの明希に戻ったようでホッとした。 母さんはなにも言わず頷いて優しく抱き締めてくれた。 何時もの日常だ。あとひとつ、戻ってくれば元通りだ。 そして、それは今日戻ってくる。 あの決闘で自分の体力が落ちてることに気づかされた僕はまた、1から修行し直している。 まだ、刀を握ることはできないし人を切るなんて絶対出来ない。 僕は変わらず、弱虫の臆病者のままだ。 でも、少しずつ向き合っていこうと思う。 前みたいに逃げ続けるのは止めにするんだ。 自分の意思を曲げないように、一心不乱に木刀を振っていると突然声がかかる。 「・・・透。」 少しの間しか離れてないがなんだか懐かしく感じる。木刀を下ろして声の主に向き合う。 「お帰り。兄さん。」 「道場に戻ってきたんだな。・・・いつかこんな日が来るのは解ってたんだ。」 道場にいる僕を見て兄さんはしみじみと語り、それからあの強い瞳を僕に向けた。     
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