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明希が泣きつかれ眠ってしまったので、自宅へ送り頭を下げてきた。 おじさんたちは、 「明希の事だから、逃げなかったんでしょう。」 と心配そうに微笑んで、僕や兄さんの心配までしてくれた。 昔から、とても優しくて強い人達だ。 だから明希も真っ直ぐ、強く育ったんだと思う。 ・・・僕は、明希みたいに強くない。いつも逃げてばっかりだ。 僕は、兄さんが運ばれたと言う診療所へとやって来た。 中にはいると、母さんが飛んできて、 「お前は大丈夫なのか。」「零士は立派だったんだ。」 等次から次へと話しかけてきた。 母さんも不安で怖かったんだと思う。 何でもないように喋っているが手が震えている。 「母さん、大事なときにいれなくてごめん。それと、ありがとう。 兄さんは僕が見とくから、母さんはもう休んで。 兄さんが起きたらお腹すくだろうから母さんには元気でいてもらわないと。 道場は危ないから。明希の家に。おばさん達には話してあるから。」 労るように声をかけて、なるべく母さんに負担がかからないように声をかける。 母さんは涙ぐみながら頷き、明希の家に向かった。 母さんを見送り、兄さんのいる部屋に入る。     
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