人間として

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21グラム消失症 人の魂の重さは21グラムであるという説があった。死んだ人間の重さがなんと死ぬ数分前の重さと異なっていたという。 それが、21グラムだ。 そしてこの21グラム消失症はまさに、21グラム減っている。そしてその人間は魂を失ったゾンビのようなのだ。人間の感情を消失させるこの感染症に世界中が恐怖した。 『私は貴方と生きる。人として、生きていたいから』 近年、21グラム消失症の研究データが更新された。この21グラム消失症は実は凡ゆる場所に蔓延していて、感染の条件を満たして初めて感染してしまうという。 “人間が1人となり、それを自覚した際に感染する” これにより世界は21グラム消失症対策へと乗りでた。まず、町中に対21グラム消失症のため人間が1人になった瞬間に警報が作動するようになった。感染は30から60秒の間に起こるとされているため警報がなった瞬間に保護される。 そしてもう一つ。 いくら21グラム消失症について世界中にその脅威を唱えても人間の危機感は薄かったのだ。突然パタリと死ぬわけではないのだから、とどこか楽観視していた。そのせいで年々感染者が増加する一方だった。だから世界でもう一つ、制度を開始した。 .
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