謎の抗体

　「それが、分からんのです。はしかや風疹から白血病やエイズウィルスまで調べてみたんですが、どれも違いました。今、●ＩＩＤ（●立感染症研究所）と●ＤＣ（●メリカ疾病予防管理センター）に、あなたの血液を送る手続きをしています。数日から数週間で結果が出るでしょう」

　「それまでの間、俺はどうすればいいんですか？」

　「結果が出るまで、隔離室で過ごしていただくことになります。これは法律で決まっていることで・・・・」

　医者の説明が頭の中をスルーしていく。とんでもないことになったことだけは理解できた。

　俺はどこかの大学病院の地下にある、ワンルームマンションの一室のようなところに隔離された。トイレ、シャワー、液晶テレビ、プレイステーションからパソコンまであるから、暇つぶしには事欠かない。

　ただ、スマートフォンは電磁シールドが張られているのかアンテナが全然立たない。パソコンは検索は出来るがメールは出せない。もちろんチャットやスカイプもダメ。
　俺の抗体に関する情報が漏れて、社会にパニックが起きるのを防ぐためと聞かされたが。