謎の抗体

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結果が出るまで、ここで何日も過ごすことになる。その間、Xウィルスはどんどん増殖して行くのだ。    『増殖を繰り返して、最後はどうなるんだろう・・・』    毎日が不安と死への恐怖との戦いだった。  自覚症状がないことが、不幸中の幸いであり、逆に不気味だった。  3日後、国内にある検査機関である●IIDからの報告が来た。  結果は・・・『該当する抗原(ウィルスなどの病原体)はなし』  その間に、抗体価は4倍になっていた。  2週間後、アメリカから結果が届いた。  結果は『unknown(アンノウン)』・・・病原体は不明とのこと。  その間に、抗体価は24倍になっていた。  3か月が過ぎた。俺の血液のサンプルは、世界中の感染症の研究機関に配られて、調査が行われたが、病原体は特定できなかった。  その間に、俺の抗体価は4800倍になっていた。  その夜、俺は食事を持ってきた若い女性スタッフの細い首筋にフォークを突きつけて、隔離部屋を出た。
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