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「僕はあの時・・・死ぬべきだったんです」
我知らず震える声が漏れ、涙が溢れ出た。
「僕は・・・人間です。そして、雨月様は・・・妖です。人間と妖は馴れ合っちゃいけないんでしょう? ・・・僕が居るせいで雨月様は辛い思いをされている。・・・僕なんかが雨月様の側にいちゃ迷惑がかかる。けれど、僕には行く場所も・・・帰る場所もないんです。僕は・・・僕はどこに行けばいいんですか? 僕が死ねば・・・雨月様は救われますか?」
嗚咽を漏らしながら泣き崩れる小さな人間の子供を店主と男は黙って見つめていた。
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