店主と男

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気味が悪いのはどっちだい・・・。 ただの人間風情がこの目を何ともなく見返すかい? それもそんな好奇な目で・・・。 店主は胸の内でひとりごちり、嘲笑してみる。 「雨月の奴はあのガキをどうするつもりだ?肥やして食うつもりか? え?」 店主の瞳を凝視したまま男は苛立ちを露に問いたてる。 本当にこの男は可笑しな人間だ。 何故、怖じけることもなく自分の瞳を凝視する? 同じ妖とて見るモノは希なこの瞳を男は人間でありながら見据え、怖じけることなく対等にものを口にする。 この男は本当に気味の悪い、可笑しな人間だ・・・。
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