第1章「最後の日」

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薄暗い部屋の中で霧島蓮はうずくまっていた。 明日から高校2年生、学校も再スタートか。 行きたくないなぁ。 そんなことを考えては頭を痛くして春休み最後の1日を無駄に過ごしていた。 時計の針が19時を指した頃にようやく霧島は起き上がった。 「えぇーっと、今何時だ?」 そう独り言を言いながら時計を見る。 「うわ、もう7時かよ。 タイムセール終わっちったなー。 明日の弁当どーすっかなー」 高校に入って彼は一人暮らしをしているため、夕飯やお弁当も自分で作っている。 春休みの殆どを家で過ごしていた霧島宅の冷蔵庫は当然のように飲み物しか入っていない。 希望を持って冷凍庫を開けると固まったご飯と豚肉の塊があった。 ラッキーと心の中で呟き彼はカップラーメンに手を出した。
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