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見違える程に綺麗になっていて、それでも笑った顔は昔から変わらない。
皆を笑顔にさせる太陽のような、その笑顔は、本当に変わらない。
そんな風に彼女に見惚れていると担任と思われる人が入ってきた。
「HRを始める、皆席に着け!」
各々が会話を切り上げ席に着く。
そして、俺はまたしても驚く事になる。
なんと、幼馴染の彼女、桜井香奈が、自分の隣の席だなんて思いもしなかったのだ。
「では、まず出席の確認を始める。
青木、今泉、今井……霧島、
おい、霧島蓮!いるなら返事をしろ」
「あ、はい、すいません」
顔が赤くなるのが分かる。
こういう目立ち方は1番嫌いだ。
皆が少しざわめく中、隣に座る桜井が微笑み、そして小さく呟いた。
「変わらないね、蓮くん」
「……ぇ…」
覚えてて、くれたのか?
眼鏡を掛けて、髪も伸ばして、知らない振りをしていたのに?
いや、それとも、聞き間違いか?
そんなことを考えていると、先生の出席確認がまたも止まった。
「中澤、中澤美月!
あれ、いないのか?」
教卓から顔を上げて教室を見渡す担任。
そして、不意に教室の扉が勢いよく開いた。
ガラガラガラガラ、バン!
「中澤美月、渋滞の為遅れましたー」
俺は自分の目を疑った。
この世にこんな美しい女性がいるのだろうか、と。
艶のある長い髪にスラリとした長い足、制服を着ていても目立つ胸、そして、綺麗に整った顔立ち。
点数を付けるとしたら、誰もが100点を付けるだろう。
いや、100点が上限だから、そこにとどまっているだけだって思う程に、美しい女性だった。
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