第3章「止まった時間」

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今日の学校はとても大変だった。 幼馴染と同じクラスで隣の席になるし、委員会は男女2人で組むことになっていて、あの中澤と一緒に図書委員になってしまった。 ゆっくり読書でも出来るかと思ったのに、嫌な予感しかしない。 放課後になり、少しでもゆっくりしたくて、図書室に直行した。 今日は学校初日で、誰も図書室にはいない。 こうして本に囲まれつつ今日の疲れを癒し、1人で図書館を占領する。 この学校は夜の9時までは開いているので、凄くありがたい。 8時が過ぎて、帰ろうとしたとき、教室に携帯を忘れたことに気づき教室に戻ると、まだ誰かがいるようで、電気がついていた。 ガラガラと教室のドアを開ける音が響く。 そしてまたも、自分の目を疑った。 そこには桜井香奈がいた。 彼女は待ってましたと言わんばかりに立ち上がって俺の方を見た。
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